食道がん

食道がんについて医師が詳しく解説

食道粘膜に発生する悪性腫瘍のことを「食道がん」と呼びます。男性にやや多く、50代から罹患数が増加し始めます。喫煙と食道を主な原因として発症し、進行すると周囲への臓器への浸潤、あるいは肺や肝臓、リンパ節などへの転移が見られます。食道には漿膜がないため、浸潤・転移とも起こりやすいと言われています。
また、胃がんや咽喉頭がんといった他のがんと合併するケースもよく見られます。
食道がんは大きく2つに分類され、食道本来の粘膜に発生する「扁平上皮がん」がそのうちの約90%を占めます。もう1つの「食道腺がん」は、逆流性食道炎などによって炎症が長く続き、食道粘膜が胃粘膜に似た組織へと変性する「バレット食道」から発生するものと考えられます。

バレット食道について
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食道がんの原因は?

食道がんの90%を占める扁平上皮がんの場合、喫煙、飲酒を主な原因として発症します。そしてその両方の習慣がある方は、どちらの習慣もない方と比べると、食道がんの発症率が約30倍も上がると言われています。飲酒においては、特にアセトアルデヒドという発がん物質を分解する酵素活性が低い人(お酒を飲むとすぐ顔が赤くなる人)は、食道がんのリスクが高くなります。
食道腺がんの場合は、逆流性食道炎およびバレット食道、肥満、喫煙などがリスク要因となることが分かっています。

初期症状がない食道がん

食道がんは、初期症状に乏しいがんです。食道の症状がないからといって、食道がんではないとは言えません。
50歳頃から発症率が高くなり、70代でピークを迎えるため、この年代に該当する方は特に定期的な胃カメラ検査の必要性が高くなります。

進行した場合の食道がんの症状は?

進行した場合の食道がんの症状は?

  • 食事の際の胸の違和感
  • 飲み込みづらい
  • 体重減少
  • 胸の痛み
  • 嗄声(声がれ)
  • タール便(黒い便)

食道がんが進行し、浸潤・転移を起こすと上記のような症状が現れます。

食道がんの検査と診断

食道がんの検査と診断問診では、症状、生活習慣(特に飲酒・喫煙)、既往歴などをお伺いします。食道がんが疑われる場合には、バリウム検査、胃カメラ検査などが行います。
ただ、バリウム検査では初期の食道がんの発見が難しいことがあります。より正確な診断を行うためには、カメラを介して直接食道の粘膜を観察する胃カメラ検査が必要になります。食道の他の疾患、胃や十二指腸の疾患との鑑別という意味でも有効です。
また胃カメラ検査では、組織を採取し、病理検査にかけることも可能です。

胃カメラ検査について
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食道がんの治療

食道がんの治療では、内視鏡的切除、外科手術、化学療法、放射線治療などが行われます。治療が必要になった場合には、速やかに提携する病院へとご紹介いたします。
初期の食道がんであれば、低侵襲の内視鏡的切除が可能です。医療の発達により、内視鏡的切除が可能な症例も増えていますが、進行すると外科手術が必要になります。また、外科的な手術と化学療法や放射線治療を組み合わせることも少なくありません。
早期に発見し、体への負担の少ない治療を行うためにも、40歳以上の方は年に1度の胃カメラ検査をおすすめします。

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