胃からくるにおいが臭い・
口臭(口の中)が酸っぱい
誰でも一度は、自分の口臭について、気にしたことがあるのではないでしょうか。最近は、口臭対策のガムやタブレット、スプレーなどもたくさん売られています。
口臭の原因として代表的なのが、虫歯や歯周病といった口腔トラブルです。また、強いストレスを受けているときなども、唾液が減少し、口臭が強くなります。
ただ、中には胃が悪いときに口臭が強くなる、ということがあります。虫歯や歯周病ではないのに口臭が強い、原因不明の口臭に悩んでいるというときには、一度当院にご相談ください。
口臭の原因はさまざま
口臭が強くなる原因には、さまざまなものがあります。
ここでは、大きく3種類に分けてご紹介します。
口腔トラブル・食事
虫歯や歯周病、ドライマウス、舌苔などに伴う口臭です。
また、疾患には至っていないものの、口の中が汚れていると、やはり口臭は強くなります。歯科での治療、定期的なクリーニング、毎日の丁寧なブラッシングで、口臭の改善が可能です。歯の痛みや歯茎の腫れなどがある場合には、まずは歯科を受診してみましょう。
そのほか、ニンニクや玉ねぎなどのにおいの強く食品を摂ったときにも口臭が強くなりますが、こちらは歯磨きをして時間が経過すると治まります。
消化管疾患
逆流性食道炎、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、ピロリ菌感染など、消化管の疾患が原因になっているタイプです。
胃カメラ検査による診断、また疾患に応じた適切な治療によって、口臭の改善が期待できます。
また便秘によって排泄物が長く体内に留まると、腐敗物質が血液・肺を介して、強い口臭になることがあります。
その他
過度なダイエットによってエネルギー不足になると、体内でケトン体という物質が発生します。このケトン体が、口臭の原因になることがあります。
また、副鼻腔炎(蓄膿症)、扁桃炎、糖尿病、肝機能の低下といったことを原因として、口臭が強くなることがあります。
胃からくるにおいが臭い・
口臭(口の中)が酸っぱい
場合に考えられる疾患
主に、以下のような疾患が挙げられます。
逆流性食道炎
胃酸などの胃の内容物が逆流することで、食道で炎症が起こっている状態です。
胸やけや胃もたれ、げっぷ、喉のヒリヒリ感などの症状に加え、口臭や呑酸(酸っぱいものがこみ上げる)を伴うことがあります。
胃・十二指腸潰瘍
ピロリ菌感染、ストレス、消炎鎮痛剤の副作用、食生活の乱れなどを原因として、胃や十二指腸の粘膜でびらんや潰瘍が生じている状態です。
胃やみぞおちの痛み、胸やけ、げっぷ、吐き気、食欲不振、体重減少などの症状に加え、口臭が強くなることがあります。
胃がん
初期にはほとんど無症状ですが、進行すると吐き気や嘔吐、胃やみぞおちの痛み、胸やけ、食欲不振、腹痛、吐血、下血などの症状、そしてさらに口臭が見られることがあります。
高齢化の影響によって、国内の胃がんの罹患者数は増加傾向にあります。
副鼻腔炎・扁桃炎・糖尿病など
その他、副鼻腔炎や扁桃炎、糖尿病などの病気を原因として口臭が強くなることがあります。
胃がんになったら
口臭が強くなる!?
先述の通り、胃がんの症状の1つとして、口臭が強くなることがあります。
胃がんになると、がん細胞の壊死によって「壊疽臭」が発生し、これが血液・肺を介して口臭となるのです。
しばしば、便のようなにおい、ドブのようなにおいと評されます。
胃からくる口臭・
口臭(口の中)が酸っぱい
場合の検査
問診のうえ、胃や十二指腸の疾患が疑われる場合には、胃カメラ検査を実施します。
胃からくる口臭・口臭
(口の中)が酸っぱい場合は
消化器内科へ受診を
口臭が気になったとき、多くの方は、まずお口の中に原因を探します。実際、虫歯や歯周病が口臭の原因になっていることが多いため、正しい考え方です。歯の痛みや歯茎の腫れといった症状がある場合には、歯を磨くだけでなく歯科を受診してください。
ただし、口臭以外に食道や胃・十二指腸の症状がある場合、呑酸(酸っぱいものがこみ上げてくる)や便秘がある場合、いろいろ試したけれど口臭が治らない場合には、消化器内科への受診をおすすめします。
胃カメラ検査を中心に必要な検査を行い、正確な診断と適切な治療を行います。